59.高齢者の持ち家。処分しておくべき?

公開日:2021年11月22日

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「高齢者が持ち家を持っている場合、処分したほうが良いのか」

「高齢者が持ち家を売って賃貸に住む場合、デメリットはあるのだろうか」

このようにお悩みの方は多いでしょう。

今回は、高齢者の持ち家の処分について、メリットとデメリットを中心に解説していきます。

□高齢者が持ち家を処分するメリットとは

1.固定資産税や都市計画税がかからない

家を持っていると、固定資産税や都市計画税などの税金を支払わなくてはいけません。しかし、賃貸の場合はそれらが不要です。

また分譲マンションで発生する修繕積立金や維持費などが賃貸物件では不要です。

出費を減らして金銭面を抑えられることはメリットでしょう。

 

2.住居に対する相続トラブル回避

持ち家があると、家や土地を相続することになります。

相続人に対して多額の相続税が発生する可能性があることに加え、相続人が複数いる場合、遺産の分配が大変だという問題もあります。

賃貸物件は相続の対象にはならないので、相続税も発生しません。

高齢者が不動産を所有し続けると、自分が亡くなった後の親族に与える影響を考慮して、賃貸物件での暮らしを選択する方も多いです。

 

3.バリアフリー対応

高齢化に伴って住宅のバリアフリー化が必要になる場合もあります。

持ち家の場合は工事は自費ですが、賃貸物件ではバリアフリー設備が整った住宅を選べばよいので、より快適な生活が送れるでしょう。

 

4.家族構成に合わせて住まいを選択できる

賃貸物件の場合、家族構成の変化やライフスタイルの変化に柔軟に対応した住まいを選択できます。

持ち家の場合は子供の独立などで部屋が余ったり、大きすぎて管理が大変だったりするかもしれません。

賃貸物件にすることで、現在の生活にぴったりの住まいを選べます。

□持ち家を売るデメリットとは

メリットもありますが、もちろんデメリットもあります。

 

1.賃貸物件探しが難航する可能性がある

高齢者は健康面から部屋の中での事故や、孤独死や認知症のリスクをどうしても背負っています。入居時には元気だとしても、住み始めてから1年2年で体調が著しく悪くなることも想定されるため、入居を敬遠される傾向にあります。
入居者が賃貸契約期間中に亡くなった場合、その契約は相続人との間で継続されます。賃貸契約を終了には、相続人を探す、解約の交渉など手間が増えます。

そのため、このようなリスクを避けるのは当然といえば当然でしょう。

 

また、健康面だけでなく、金銭面からの不安も入居を敬遠される要因となります。
高齢になると、定年退職をされて年金での生活になっている場合がほとんどです。年金での生活は十分な収入が見込みづらく年金以外の収入や貯蓄、家賃保証会社の利用などで不安の解消ができない場合は断られる要因となることが多いです。

 

2.相続できる資産が減る

相続のトラブルこそ減りますが、相続できる資産は減ります。

賃貸は住居を資産として残せることができません。

 

住み続ける限り家賃の支払いは続き、貯金も減るでしょう。

子供に資産を残したいと考えている場合は、家を売る前にしっかり吟味することが大切です。

□売却する時の注意点

まずは、売却後の住まいについて。

候補としては、子どもの家に住むのか、サービス付き高齢者向け住宅に入るのか、賃貸住宅を借りるのかなどでしょう。

売却してしまう前に、これからどうするかの目処を立てておくことが大切です。

 

売却資金で老人ホームに入ろうと思っている場合は、長く施設に入ることになっても問題ないか確認しておきましょう。

資金が尽きてしまいそうなのであれば、介護プランを見直す必要があるでしょう。

 

また、子どもが納得しているかもポイントです。自宅の売却は、子どもにとっても実家を失うことになります。話し合いをし、納得した上で実行に移してください。

□まとめ

今回は、高齢者の持ち家の処分について紹介しました。

メリットとデメリットどちらも考えた上で最善を選んでいくことが必要となります。

また、現在の物件のや土地の価値によっては売却し、その資金で住み替えという選択肢が生まれる場合があります。

一度、査定やプロの意見を聞いてみる必要があるかもしれません。

 

 

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