60.古い家の売却に解体は必要?費用は?
公開日:2021年11月25日
古い家の取り壊しを考えるうえで、気になる費用。
そもそも解体すべきなのか。
相続や、引っ越しなどで空き家をお持ちの皆様から土地売却時の家の解体への質問を多く受けます。
そこで今回は、古い家を取り壊す費用と、なるべく安く抑える方法、解体して更地にするメリットやデメリットについて紹介します。
□一軒家の解体費用の相場
一軒家の場合の解体費用を紹介します。
同じ一軒家でも、構造ごとに費用が異なります。
木造:1坪あたり3~5万円
鉄骨造:1坪あたり5~7万円
RC(鉄筋コンクリート)造:1坪あたり6~8万円
例えば30坪の一軒家を解体する場合にかかる費用は、木造住宅なら90~150万円、鉄骨造なら150~210万円、RC造であれば180~240万円程度が相場となっています。
あくまで上記の費用は目安であり、立地や築年数、隣の家との距離などによっても変動するので注意が必要です。
また、コンクリート施工の基礎部分が大きい家ほど一般的に解体費用が高額になります。
□解体費用をできるだけ安くする方法
1.自分でできることは自分でやっておく
家の中のものの処分や庭木の撤去などは、解体業者に任せた方が早くて楽に済みますが、割高になってしまいます。
それらを、できる限り自分で行うことで解体費かかる費用を抑えることが可能です。
2.補助金制度を活用する
自治体によっては、解体に対して補助金を出してくれることもあります。
あらかじめ、都道府県や市町村のホームページなどで確認しておきましょう。
3.複数の業者の見積もり比較をする
各業者によって、解体料金の違いや拠点からの距離料金が異なります。
よって複数の業者に見積もりを出してもらい、より安い業者を見つけるのも良いでしょう。
しかしながら、安くともサービスの質の悪い業者も存在する可能性があるため、クチコミや見積もり時の対応などを参考に総合的に良い業者を見つけ出すことが大切です。
□土地を売るために更地にするメリットとデメリットとは
まず、更地にして売るメリットを紹介します。
家に価値が付かない場合は、土地の価値で値段が決まります。
家が建っていても「古家付き土地」として売れますが、買い手からしてみれば古い家がついていると購入後に解体する手間や費用がかかるため購入への気持ちが減退してしまうこともあるでしょう。
よって更地にしてしまえば、土地の買い手がつきやすくる可能性が高まります。
また、相続した空き家の場合、相続した年から3年後の年末までに売却すれば「相続空き家の3,000万円控除」が適用となり、売却益から最大3,000万円が控除される可能性があります。
これは相続されたのが「昭和56年5月31日以前に建築された戸建て」で、「その家を耐震補強して売却した場合」か「その家を解体して更地にして売却した場合」に適用される制度です。
補強するよりも解体の方が費用がかからない場合は更地にするメリットの一つとなるかと思います。
次に、更地にして売るデメリットです
1つ目は、解体費用を土地の売却金額に上乗せできるとは限らないことです。
更地で売るからといって、家の解体でかかった費用を土地の売却金額に上乗せできるわけではないです。
家が建っていても更地であっても、家に価値がない以上は売却時は土地の価値しか評価されません。
2つ目は、住宅を取り壊すと固定資産税が跳ね上がることです。
住宅が建つ土地の場合は、固定資産税が最大で6分の1になる優遇措置があります。
しかし、解体してしまえば、建物への課税こそなくなるものの土地への課税が増えます。
その結果、固定資産税が現在の3~4倍になることもあります。
3つ目は、建物を解体すると再建築不可になるケースがあるという点です。
建築時には適法だったものの、法の改正により現在では建物を建てられない土地とになってしまうケースがあるのです。
再建築不可の土地は、将来的に売却することも難しくなります。建物を解体する前に、現在の法律で建物を再建築できるのか確認しておくとよいでしょう。
□まとめ
今回は、古い家を取り壊す費用とメリットとデメリットについて紹介しました。
急いで取り壊したら、再建築不可地で売却が難しくなってしまうなんて問題が起きないとも限りませんし、場合によっては、古くなった家でも建物を残したまま売却できる可能性があリます。
売却前提で進めるのであれば、解体する前に一度、不動産会社に相談してみることをおすすめします。
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