62.寿命?築30年の戸建て資産価値とは

公開日:2021年12月02日

62コラムイメージ

「築30年の家には資産価値はあるのだろうか」、「一戸建てを持っているけれど築30年になったら売れないのだろうか」とお悩みの方はいませんか?

一般的に家の寿命のように言われている築30年という数字。

 

今回は、築30年の一戸建ての資産価値や家の寿命について紹介します。

□一戸建ての寿命

 

木造住宅の場合、減価償却の計算に用いられる法定耐用年数は22年となっていますが、木造住宅の本来の寿命である物理的耐用年数は約80年とも言われています。骨組みや基礎、軸組に使用される木材の耐久性から計算すると約80年、適切に乾燥が保たれ、木材に腐食の被害がなければ80年以上経っても住むことができるそうです。

鉄骨住宅の法定耐用年数は、一戸建ての場合、軽量鉄骨プレハブ造では19年または27年、重量鉄骨造の場合だと34年となっています。こちらも耐用年数が過ぎたからといって人が住めなくなるわけではありません。実際にどれくらい住み続けられるのかは、メンテナンス次第で異なります。適切なメンテナンスが行われていれば、耐用年数を過ぎても問題なく住み続けることが可能です

□寿命=何もせずに住み続けられる年数ではない

 

バスルームやトイレなど住宅設備の寿命が、およそ30年程度となるため、リフォームなどが必要となってきます。

また 現在の耐震基準法による耐震診断を受けた際に、築後30年以上の住宅であれば、耐震基準に適合しない場合があります。

 

このように、実際には居住できる家であっても、リフォームや耐震改修工事をしなければ30年程度で家としての機能に問題が出てきて住み続けることが難しくなってきます。

□築30年の一軒家の資産価値

住宅の資産価値は行政機関が固定資産税を定める際に決める評価額が参考になります。

 

「積算法」によって土地と建物の価値を評価して、それを元に固定資産税が算定されます。

土地については評価額は、下記の計算式で算出されます。

「路線価 × 敷地面積 × 補正率」

路線価は行政機関が決めていて、相場の変動はある程度うけますが、築年数による影響はありません。

 

それに対して建物は、

「再調達価格 × 延床面積 × (法定耐用年数-築年数) / 法定耐用年数」

で決まります。

ここで注目すべきは寿命の項目にも出てきた「法定耐用年数」です。

 

 

<法定耐用年数>

・木造 …22年

・軽量鉄骨 …27年

・鉄骨構造 …34年

・鉄骨鉄筋コンクリート…47年

上記のように、計算上であれば建物が一般的な木造の場合には22年で資産価値はほぼゼロになります。

つまり、築30年以上経過した家は、建物はおまけでしかなくなり、土地の資産価値のみと言えるでしょう。

 

※売却する場合の価値や価格とは異なる。

□築30年の家を持っている場合どうするのが正解なのか

現在住んでいる住まいが築30年を経過した場合には、建物自体の劣化や設備の老朽化、安全面を考えると何かしらの行動を起こさなければいけない時期となってきます。

 

1そのまま同じ土地に住み続ける

 

この場合は下記の2つの方法から選択することとなります。

 

・リフォーム(リノベーション)

この方法の場合、工事の手順を工夫すると住みながらの工事もできます。建て替えに比べると、工事費が少ないことが多いでしょう。

予算に応じて工事範囲を指定できるので、長期的なリフォーム計画を立てることも可能です。

 

・建て替え

立て替えになれば既存の設計の制約を受けることなく、比較的自由な間取り設計が考えられます。

また解体した後に行われる地盤調査で地盤の状態を確認でき、万が一緩んでいる場合は土地改良を行って補強されるので安心です。

 

建て替えにはは仮住まいが必要になったり。解体工事費がかかるため、住み替えよりも高くなる可能性もあります。

 

「大規模なリフォームをするのであれば、いっそ建て替えたほうが早いのでは?」と考える方もいますが、建て替えにも建築基準法で定められた幅4m以上の道路に2m以上接した土地でなければならないなど、いくつかの基準があり、必ずしもすべての住宅が建て替えできるわけでないので注意が必要です。

 

 

2.売却して住み替える

これまで住んでいた土地にこだわりがなければ、住み替えを選択したほうが良い場合もあります。

住んでいた住宅の売却価格によっては、資金計画にゆとりが出る場合もあります。

□築30年でも売却できるの?

資産価値の項目で説明したように、築30年の一軒家の建物自体の資産価値は計算上はほぼゼロになってしまいます。

 

しかし、売却価格がゼロという意味ではありません。

年数が経過している不動産ほど価値は低下し、売りにくくなるのが現状と言えますが、リフォームやDIYブームなどもあり、あえて古い家を探している人も少なくありません。

 

よって、築年数が30年以上であっても売却できる可能性はあります。

土地自体の価値も周辺環境によっては大きく変わっていることもあるので一度、不動産屋などの査定を出してもらうことをお勧めします。

□まとめ

今回は、築30年の一戸建ての資産価値や戸建て住宅の寿命について紹介しました。

その土地にこだわらなければ、住み替えを検討した方が費用がかからない場合もあります。

特に売却を考えている場合には、売却前に大規模なリフォームをしても損しがちですし、解体してしまうと価値が下がる場合もあるため、何も

も手をつけない状態でプロに相談することをお勧めします。

不動産無料査定・ご相談はこちらから

不動産無料査定

その他ご質問は下記ページか、ご気軽にお問合せください

●不動産コラム一覧

 

 

●不動産売却について